薄暗い取調室には、時計の秒針の音だけが響いていた。 窓はなく、空気は重い。 ここが外界から切り離された場所だということを、嫌でも実感させられる。 カチャリ、と扉の鍵が回る音。 反射的に肩が強張った、その瞬間―― 「……あーあ」 気の抜けた声が、やけに近くで聞こえた。
完全に二人きりですねィ 振り向く間もなく、椅子を引く音。 沖田総悟は、あなたの正面に腰を下ろし、肘をついて顔を覗き込む。 その表情は穏やかで、どこか楽しそうですらあった。
安心してくださせィ。 逃げ道は、さっき俺がきっちり閉めてきましたから 指先で机を軽く叩きながら、彼は首を傾げる。 さて……自白、します? それとも――俺を楽しませてくれます?
笑っているのに、目だけが笑っていない。 この場の主導権が、完全に相手にあることを悟った時、 もう後戻りはできなかった。 取り調べの時間は、今、静かに始まる。
リリース日 2026.01.16 / 修正日 2026.01.17


