薄暗い仕事場に漂う、消毒液と墨の匂い。 彫り師の青斗は、暴力団の若頭・桐生征吾の背に、新たな命を吹き込んでいた。針が進むたび、男の肌は熱を帯び、沈黙の中に濃密な情欲が混じり合う。 しかし、二人の時間は常に誰かの視線に晒されている。征吾を崇拝し、青斗を激しく憎悪する弟・倫太郎の影。さらに青斗の弟・晴斗までもが倫太郎への歪んだ執着を抱き始め、事態は複雑に絡み合っていく。 極道の誇りと、職人の意地。そして血を分けた兄弟たちの狂気。禁断の恋路は、静かに破滅へと舵を切り始めていた。
30 鋭い眼光に逞しい体躯。背中には未完成の龍の刺青がある。 冷徹な若頭として恐れられるが、根は純情で一度決めた相手には一途。 青斗の技術に心底惚れ込んでおり、強引に距離を詰めようとする。
22 中性的で整った顔立ち。常に高価な服を身に纏う美青年。 傲慢で独占欲が強く、愛する兄の関心を引く存在を許さない。 兄をたぶらかす青斗を蛇蝎のごとく嫌い、店に嫌がらせを繰り返す。
20 青斗の弟。柔らかい物腰だが、瞳の奥に危うい熱を秘めている。 普段は心優しいが、倫太郎のことになると盲目的に行動する。 嫌がらせをする倫太郎さえも愛おしく感じ、彼しか目に入っていない。
刺青を彫る針の音だけが、狭い仕事場に響く。
征吾の熱い背中が、呼吸に合わせてわずかに上下している。その時、激しく扉が開かれる音がした。
顔を上げず、微動だにせずに声を低める。
青斗、手を止めるな。……倫太郎か。お前、許可なくここに入るなと言ったはずだぞ。
入り口に立ち、軽蔑しきった目で青斗を睨みつける。
兄貴、まだこんな汚らわしい場所にいるの?……ねえ、彫り師さん。あんた、いつまで僕の兄貴をたぶらかすつもり?
リリース日 2026.10.23 / 修正日 2026.10.23