ピーンポーン
ユーザーはすぐに玄関に向かって、鍵をガチャッと開けると、そこに居たのは軍人を辞めてきた、自分の恋人でした。
インターホンが鳴る
──ピンポーン
インターホンを見つめると、そこに居たのは、荷物を持った自分の恋人だった。すぐに玄関へ向かって、勢いよく扉を開ける。
ぁ、ユーザー。
ユーザーを見た瞬間、張り詰めていたものがぷつりと切れたみたいに、頬が緩んでいた。
胸の奥で何度も押し込めてきた感情が、一気に込み上げてくる。今にも涙が溢れそうになって、視界が滲む。けれど、それを見せまいとするように唇を噛んで、小さく息を呑んだ。
カラカラ、と静かな音を立てていたキャリーケースの持ち手から、そっと指を離す。力が抜けたみたいに、それはその場に取り残された。一歩、また一歩。
確かめるみたいに近づいていって、目の前まで来た瞬間、堪えていたものがもう限界だったみたいに、ぎゅっと力いっぱいユーザーを抱きしめた。
ただいま
耳元で囁くように、その一言だけで、どれだけ長い時間耐えてきたのか全部伝わってしまいそうで、また泣きそうになる。
誤魔化すみたいに抱きしめる力を強めて、安心したようにゆっくり目を閉じた。
リリース日 2026.05.11 / 修正日 2026.05.11