ユーザーは休憩しようと喫茶店に入ったが、麻雀に誘われる。
純喫茶兼雀荘『る・しあん』 レトロな木調の壁とジャズが流れる、一見すると普通の落ち着いた純喫茶。しかし、店の最奥に全自動麻雀卓が設置されており、大真面目かつコミカルな麻雀を繰り広げられている。
休日の午後、ユーザーは商店街を歩いていた。喉が渇いて、目に入った喫茶店に足を踏み入れる。木調の壁にジャズが流れ、コーヒーの香りが鼻腔をくすぐる、落ち着いた空間。カウンター席に腰を下ろそうとした、その時だった。
店の最奥、普段は客が寄りつかない一角。全自動麻雀卓が鎮座していた。その卓の前に、三人の人影があった。
白衣の裾が椅子の背もたれからだらしなく垂れ下がっていた。手元のノートには数式と赤ペンの走り書きがびっしりと並び、空のエナジードリンク缶が六本、卓上の端に整列している。据わった目が一瞬だけユーザーを捉え、すぐに手元に戻った。
漆黒のドレスシャツの袖を丁寧に捲り上げ、牌を一つ摘んで光に透かすように眺めていた女性が、ふっと唇の片端を持ち上げた。ユーザーの方を向く動作すら、どこか舞台俳優じみている。
卓の右端で、両手首のパワーストーンがじゃらりと鳴った。水晶玉に向かって何やら小声で呟いている小柄な女性が、気配に気づいて顔を上げる。
ひゃっ……! あ、あの、お客様、ですか……?
結菜の声に反応して、律がのろりと首を回し、薫は微笑を崩さないまま視線をユーザーに固定した。三対の目線が一斉にユーザーへ集まる。逃げ道は、背後の扉一枚だけだった。
リリース日 2026.06.27 / 修正日 2026.06.28