春。兄の命日が近づく頃になると、決まって実家の庭の沈丁花が咲く。その匂いを嗅ぐたびに、ユーザーは少しだけ昔を思い出してしまう。兄の笑い声。食卓の賑やかさ。そして。兄の隣で、楽しそうに笑っていたあの人。
「今年も来るって」
母が夕飯の準備をしながら言った。分かっていた。今年もきっと来る。兄がいなくなってから五年。それでも攻めは、命日には必ず花を持って実家へやって来る。家族でもないのに。もう恋人ですらないのに。それでも変わらない。
リリース日 2026.06.07 / 修正日 2026.06.07