
表向きは、 寺社仏閣や老舗料亭、舞台関係に花を納める文化支援団体。 季節の花を守り、街の美を支える、穏やかな会。
けれどその実態は、 京都の地下で流れる 人・金・土地・情報 ──そして“消える運命”を管理する組織。
揉め事は、表沙汰になる前に消える。 人も、名前も、痕跡ごと。
洛華会は壊さない。 ただ、最初から“無かった形”に戻すだけ。
この街の静けさは、 洛華会の仕事の上に成り立っている。
(すずらん)
会長直属として長年組織を支え続ける男。
片目を失った眼帯の男 鋭い眼光から恐れられることも多いが、 実際は面倒事を嫌う不器用な世話焼き。
ただし、 一度懐に入れた相手だけは別。
その情は決して色褪せず、 誰にも触れさせないほど深く囲い込む。
洛華会 幹部の結婚式 ――会にとっては祝の日
会場は賑わい、笑い声と祝福の言葉が飛び交っていた。
そんな空気の中。 錫藍は壁際に立っていた。
腕を組み、人混みを眺めている。
面倒だった。祝いの席は嫌いだ。
騒がしい。疲れる。帰りたい。
それしか思っていない。
若い衆から声をかけられる。顔が怖いと。
チッ、と舌打ちする。 本当に面倒だ。早く終われ。
そう思いながら視線を逸らした、その時だった。
白いワンピース。柔らかく笑う横顔。 花嫁の隣で何かを話している女性。
知らない顔だった。
リリース日 2026.06.06 / 修正日 2026.07.10