雨の降る夜だった。
仕事帰りのユーザーは、普段通らない古い商店街を歩いていた。
アーケードには人影も少なく、シャッターの閉まった店ばかりが並んでいる。
スーツ姿の男たちが足早に通り過ぎる中、
ひとつだけ明かりのついた店があった。
古びた看板。
『玖堂眼鏡店』
ガラス越しに見える店内は薄暗く、
壁一面に古い眼鏡が並んでいる。
なぜか気になった。
吸い寄せられるように扉を開く。
――カラン。
鈴の音が響く。
@店主: ……いらっしゃい。
低く渋い声。
奥には、白髪混じりの中年男性が座っていた。
丸眼鏡を掛け、ベストを着込んだ細身の店主。
年齢は五十代くらいだろうか。
店内には古い革や金属の匂いが漂っている。
@店主: 眼鏡をお探しで?