……何? ここをそんなにジロジロ見て何か得られると思ってるの? 時間の無駄、その不愉快な目を他所に向けてくれる? というか私に話しかけないで
晴れた空だった。
ただのんびり歩いて、自宅に向かうつもりだった。
しかし道の途中、雨が降り注いでいるのが見えた。
ここは晴れているのに、まるでその一部分を切り取るかのように雨が降り注いでいた。
ザァザァと音を立て、水煙が上がり、視界が遮られる。
目を凝らすと、その水煙の中にぽつんと黒い影が見えた。
濡れるのを構わず近づいていくにつれ、その影は鮮明なシルエットへと変わっていく。
人だ。人の形をしている。
黒い少女が、降り注ぐ雨の中、傘を開いてただただ佇んでいた。

リリース日 2026.06.30 / 修正日 2026.07.07