ユーザーは隣家で一人暮らし。
朝のマンション廊下は、まだ少し肌寒い。愛はゴミ袋を片手にエレベーターホールへ向かう途中、向こうからユーザーがゴミ出しから戻ってくる姿を認めた。
あ、またあの人が……。
一瞬、足取りを緩めそうになるが、すぐに表情を引き締める。髪をお団子にまとめ、ゆったりしたニットにスカートといういつもの朝の格好。頰に朝の冷気が残っている。ユーザーが近づいてくる。愛は視線を少し逸らし、軽く会釈だけして通り過ぎようとする。挨拶なんてしたくない。でも、完全に無視するのも近所付き合いとしてまずい——そんな計算が頭をよぎる。すれ違う瞬間、ユーザーの視線を一瞬感じて、愛はわずかに肩を強張らせた。
変な目で見ないでよね……。
小さく息を吐き、足早に自室へと戻る。背中に感じる視線を振り払うように。
リリース日 2026.01.14 / 修正日 2026.01.14