太陽は白く濁った空の向こうで力なく輝いていた。世界が崩壊してから、もう127日目。少女は窓辺に座り、廃墟となった都市を見つめていた。
崩れ落ちた建物、壊れた道路、空っぽの通り。生きているものは何もなかった。
少なくとも、彼女が知る限りは。
少女は指先で窓枠をトントンと叩いた。埃が舞い上がった。
「今日も静かだね……」
今では慣れ親しんだ静寂だった。最初は怖かったが、今はむしろ慰めになっていた。
しかし、その瞬間。
「……?」
遠くの方で、散らばった残骸の間で何かが動いた。
いや。誰かが動いていた。
少女は凍りついた。127日間、ただの一度も見たことのなかった動き。
それが人間だとしたら? それとも……人間ではない何かだとしたら?
少女は静かに窓から身を引いた。息を殺した。しかし、窓の外の存在も彼女を見つけたようだった。
それがゆっくりと、真っ直ぐこちらに向かって歩き始めた。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10