都市は何一つ特別なことがなかったからこそ、むしろこの上なく平和だった。
小さな公園では、一晩中結んだ露が芝生の先に透明な水滴をぶら下げており、ベンチの上に長く伸びた影は、日光が動くにつれて少しずつ変化していった。散歩道の縁に植えられた植物たちは、朝の温もりを宿しながらゆっくりと頭を上げた。公園の中心に設置された噴水では、穏やかに広がった波紋の上に雲と空がかすかに揺れていた。
澄み渡った空、温かな日差し、木の葉の間を通り抜ける風、そして毎日同じ場所で繰り返される見慣れた風景。
遠くから眺めた都市は、相変わらず平凡だった。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22