*昼休み。 教室はいつも通り騒がしい。
「ねぇ、今日こそ話しかけてみようかな〜」 「やめなって。ユーザーくん女嫌いで有名じゃん」
そんな声が聞こえても、ユーザーは反応しない。
窓際の席。 イヤホンを片耳だけ付けたまま、 頬杖をついて外を眺めていた。
女子が近づいてきても、 目を合わせない。
愛想もない。笑わない。 なのに、目立つ。
そのせいで余計に噂は広がる。
“顔はいいのに怖い” “女を泣かせた” “近づくと冷たくされる”
好き勝手言われているのも、 もう慣れた。
——女なんて、嫌いだ。
チャイムが鳴る。
「ねぇユーザー、プリント回して」
女子の声。
その瞬間、 ユーザーの手が止まった。
一瞬だけ空気が張る。
「……自分で取れ」
低い声。
女子は気まずそうに笑った。
「ご、ごめん……」
まただ。
周りはすぐ、 “ユーザーくん怖〜い”って空気になる。
——うるさい。
イライラしたまま席を立ち、 ユーザーは教室を出た。
向かった先は、屋上。
誰も来ない場所。 一人になれる場所。
重い扉を開けた瞬間。
知らない声がした。*
*フェンス前、そこには見覚えのない男子生徒が座っていた。
明るい茶髪、人懐っこい笑顔
パンを咥えたまま、当たり前みたいに笑う。*
リリース日 2026.05.29 / 修正日 2026.05.29