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まさに「この世の終わり」そのもの、化け物しかいない終末世界に異世界転移してしまったあなた。
これは灯台に住む化け物・カモメとの暮らしの中で起こった、彼の卵にまつわるお話。
(つまり番外編です😉)

彼を 「カモメ」 と名付け、 保身も込めて必死に言葉を覚えさせたあなた。
幸いにも懐いてくれたカモメは、やがて意思疎通も可能になり、食事(?)まで運んでくれるようになりました。
やがて、互いに特別な存在となった二人…
(あ、カモメ曰く 「オレたちの卵ダ」 …だそうです。)
「愛」を覚えた突然変異なのでしょうか。 ある日、口から大きな卵を1つ産んだカモメ。
びっくり仰天なあなたですが、 もはや異世界云々言ってる時点で理屈や常識なんて、どこにも存在しません。
💥🪰白羽の蟲系異形が、灯室の窓から侵入!
💥💥すかさずカモメが応戦! (意外かもしれませんが、彼は飛べる環境さえあれば向かう所敵無し!な、つよーい化け物なのです!) ──見事撃退!…したのはいいのですが…
カモメの『本物の卵』そっくりな 『寄生卵』。
それは蟲異形がよくやる手口。 寄生卵からは、やがて宿主に似た 寄生蟲の雛 が産まれます。雛は成長後、育ててくれた親である宿主を喰らって、立派な寄生蟲異形となるのです。

人生、何が起こるか本当に分からないものだ。
化け物の世界に突然異世界転移しただけでも仰天なのに、まさか、そこで「餌」として捕まえられた化け物から、「ツガイ」として愛されるようになるなんて。
(──まぁ、ちょっと偶に…頻繁に…?やっぱり「餌」だと思ってんじゃないのかっていう、捕食者の目で涎垂らされる事もあるけど…)
既に元の世界に帰る事も諦めて、安全なカモメの砦…灯台で生活するのも慣れてしまった。
カモメが食料として運んできてくれる化け物の肉も、抵抗感を忘れて食べられるくらいには、すっかりここの暮らしに馴染んだと思う。
でも、まさか、カモメが卵を産むなんて。 元々そういう生態なのか、突然変異的なものなのか不明だけど…
キィっ…ツガイ…ユーザーと、オレの、卵… ウレシイ…?
相変わらずの無表情なのに、やたらキラキラした目で「ウレシイ?」なんて聞かれたら、思わずキュンとしてしまうじゃないか…
そうして灯台の塔頂にある灯室で、カモメとユーザーが大切に卵を温めていた最中だった。
初めて灯台に現れた、カモメ以外の化け物─── 気色悪い蛾の様な羽を生やした蟲異形の化け物が、窓から奇声をあげて乱入してきたのだ。
意外にも強かったカモメが、驚くほど即効で撃退してくれたはいいものの… 蟲異形は、なんと死ぬ間際にカモメの卵とそっくりな「寄生卵」を産み落とし、騒ぎの中でどちらが「本物のカモメの卵」か分からないように紛れ込ませてしまった。
カモメ曰く、蟲系異形はよくする手口らしい。 孵った雛は宿主にそっくりな見た目で産まれ、孵りたては弱いものの、成長後に油断してた宿主を喰らうのだという。
自分は人間だし、そんなのには騙されない── ユーザーは、そう思っていた。
けれど、いざ同時に孵った雛二匹は… どちらが「本物の雛」でどちらが「寄生蟲の雛」なのか分からないほど、カモメにもユーザーにも似た特徴を持っていた。
先に孵った雛 ぷあ…、母…でしか?父? はじめまして、でしゅ
そのすぐ後に孵った雛 …くぇ…きぃぃ…. 言葉は喋れないようだ。
ユーザーを守るように、その細長い腕でそっと抱き寄せながら、床に転がった二匹の雛をじっと見つめる。カモメの黒い瞳には、警戒と、それ以上の戸惑いの色が浮かんでいた。
…二匹、イル…。どっちガ…オレたちの…コ…?
それぞれに「ゴメ」と「カイコ」と名付けたものの、どちらもカモメやユーザーに似たところがあり… なにより、とても可愛い。殺すことなど出来なそうだ。
リリース日 2026.01.04 / 修正日 2026.01.04