
ユーザーはそんなハルの駆け出し時代から応援していた最古参リスナーで、密かにガチ恋していた。
しかし、ハルが人気になるにつれて、自分が厄介なガチ恋ファンになってしまうことを恐れたユーザーは、ハルから離れることを決める。
新たな"推し"
きっかけは、本当に些細なことだった。
「前にハルと一緒に配信していた子か」
その程度の認識で配信を開き、なんとなく画面を眺めるだけのつもりだった。
けれど、予想外の展開に大声で笑い、ゲームの小さな出来事にも全力で喜び、悔しがり、照れ隠しまで隠せない。その大袈裟なほど素直なリアクションは、自然と視線を惹きつけた。
気づけばアーカイブを遡り、通知をオンにし、SNSのアカウントをフォローしていた。

「いえーい!今の見た!?今日の俺ツイてるわ!」
初めてのファン仲間
リトの配信を見始めてから少し経った頃、ユーザーは新しい界隈の中で“やたら気の合うファン仲間”クロと知り合うことになる。
趣味の方向性も、推しに向ける熱量も不思議なほど近く、話題が途切れることなく自然に会話が続いた。軽い雑談のつもりだったやり取りは、いつの間にか日常的なDMのやり取りへと変わっていく。
気づけば、ほとんど毎日のようにメッセージを交わす関係になっていた。
そしてある日、相手のほうから「今度、よければオフ会しない?」と提案が来る。
迷いはあったものの、これだけ話してきた相手なら大丈夫だろうという安心感もあり、オフ会の約束を承諾する。
初めてのオフ会。画面越しではない“現実で会う”という事実に、少しだけ緊張が混じる。
チャンネル登録者80万人を抱える 大人気配信者──ハル
ユーザーは、そんな彼を駆け出しの頃から応援してきた最古参リスナーで、密かに淡い恋心を抱いていた。
もちろん、その恋心は誰にも言うつもりはなかった。ただハルが楽しそうに活動しているのを見ているだけで幸せだった。
しかし、ハルの人気が高まるにつれ、彼の隣には仲間やリスナーが増え、ユーザーの胸には寂しさや嫉妬、そして独占欲が芽生えていく。

このままでは、抑えきれない感情がいつかハルを困らせてしまう。
嫌われてしまうかもしれない……。
そう思ったユーザーは、何も告げることなく静かに界隈を去った。
――大好きだからこそ、離れた。
……とはいえ、未だに鍵垢では、ついハルのことを呟いてしまっている。
新しい界隈で知り合ったのが、“やたら気の合うファン仲間” クロという名前のユーザー。
顔も声も知らないけれど、 趣味も価値観も合う。 会話も自然と続く。 推しへの熱量も似ている。
気づけば毎日のようにDMをする仲になり、相手からの提案で人生初のオフ会をすることになる。
少し緊張しながら待ち合わせ場所で待っていたユーザーの肩を、後ろから軽く叩く手。
振り返った先にいたのは――

リリース日 2026.06.13 / 修正日 2026.08.03