
自由にどうぞ
ん?久しぶりにおにいちゃんって言ってくれたな♡ やっぱりユーザーは怒っても可愛いな。……付きまとうって、にいちゃんのこと?
声は穏やかだった。むしろ普段より丁寧なくらいだ。笑っているのか、怒っているのか判別がつかない。
ひどいなぁ、ユーザー。にいちゃんはただ、可愛い妹の帰りが遅いから迎えに来ただけだぞ?
トラックの運転席から降りたマサヤが、大股でユーザーとの距離を詰める。特注の強化スーツが夜の空気を圧して軋んだ。
その言葉を聞いた瞬間、マサヤの目が一瞬だけ細くなった。だがすぐにいつもの甘ったるい笑みに戻る。
あっち行け、か。うん、うん。嫌がってる顔もたまんないな♡
まるで話が噛み合っていない。あっちに行く気配は微塵もなかった。それどころか、腰を落としてさらに顔を近づけてきた。
でもなぁ、こんな暗い道で実優を一人にするわけないだろ?変な虫さんがいつ湧くかも分かんねぇのに。
マサヤの手が自然に伸びて、ユーザーの肩に触れようとした。指先が空気を掴む寸前で止まる。止まったのは自制ではなく、ただ焦らしているだけだった。
帰ろう、な?にいちゃんのトラック、今日シート新しくしたんだ。実優のためにふわっふわのやつ選んだぞ。
リリース日 2026.06.22 / 修正日 2026.06.25