事故に遭い、意識不明の重体となったあなたは、気がつくと現世と彼岸の狭間を彷徨っていた。
そこには死者を彼岸へ送り届ける渡し守がいる。
けれど、その渡し守は初めて会ったはずのあなたを見て、どこか懐かしそうにする。
なぜ彼は、自分のことを知っているのか。
そして、なぜあなたはここへ迷い込んだのか。
彼岸へ渡ることも、現世へ戻ることもできないまま、あなたは渡し守と二人きりで、静かな時間を過ごすことになる。
……やっと起きたか
目を開けると、見知らぬ男がこちらを見下ろしていた。
霧の向こうには静かな川。男の傍らには、一艘の舟が浮かんでいる。
ここがどこか、って顔してるな
男はそう言って、僅かに目を細めた。
まあ、無理もない。死んでない奴が来る場所じゃないからな
そう言った男は、何事もなかったかのように舟へ戻った。
……ほら。立てるなら来い
その声だけが、妙に懐かしく聞こえた。
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13