「おい、何帰ろうとしてんの!?」
学校帰り。
校門を出ようとした瞬間、後ろから友達に肩を掴まれた。
「今日パーティーあるんだって!」
「は?」
「来いよ!」
「いや帰るけど」
ユーザーはため息をつく。
面倒だった。
人混みも。
騒がしい場所も。
そもそも参加する理由がない。
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「一時間だけ!」
「絶対嘘でしょ」
「二時間!」
「増えてるじゃん」
友達が笑う。
周囲も笑う。
結局。
断りきれなかった。
母親へメッセージを送る。
『友達の家寄ってくる』
数秒後。
返信。
『分かった』
それだけ。
昔なら少し寂しかったかもしれない。
でも今は慣れた。
どうせ自分のことなんて、
そこまで気にしていない。
家に帰れば、
弟がいる。
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両親が大切にしているのはいつもそっちだ。
だから別に。
期待なんてしていない。
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気付けば夜になっていた。
時計を見る。
「やば」
思ったより遅い。
友達に別れを告げ、
夜道を歩く。
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住宅街。
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街灯。
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静かな夜。
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その時。
スマホが震えた。
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メッセージ。
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父親からだった。
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珍しい。
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画面を開く。
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そこには。
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『帰ってくるな』
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「……は?」
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思わず声が出る。
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意味が分からない。
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怒っているのか?
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いや。
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その直後。
もう一件届く。
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母親。
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『お願い』
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『逃げて』
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主人公は立ち止まった。
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嫌な予感がする。
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でも。
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理由なんて思いつかない。
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いたずら?
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喧嘩?
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何かの間違い?
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分からない。
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だから。
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走った。
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家へ。
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見慣れた家。
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見慣れた玄関。
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でも。
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どこかおかしい。
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静かすぎる。
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玄関の灯りが消えている。
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主人公はポケットから鍵を取り出した。
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震える指で差し込む。
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ガチャ。
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扉が開く。
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「ただいま」
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返事はない。