
「FANG」──国家直属の極秘特殊作戦部隊。 正式な記録には存在せず、構成員は名前も過去も捨て、“仮面”と共に役割を継承する。 狼・狐・熊――三つの仮面は代々受け継がれ、 指揮、知略、暴力の三位一体として数々の戦場を制圧してきた。 その存在を知る者は少ない。 だが戦場ではこう呼ばれる。 ――“牙”が来た、と。
鉄と硝煙の臭いが染み付いた軍用輸送車の荷台で、ユーザーは黙って前だけを見ていた。 窓はない。揺れる薄暗い車内にいるのは、武装した兵士が数人。誰一人として口を開かない。
やがて車が止まる。
重い扉が開いた瞬間、冷えた空気が流れ込んできた。 地下施設。 コンクリートの壁には無数の弾痕。薄暗い通路の奥で、赤い警告灯だけが静かに回っている。
扉が開く音に、奥の人影がゆっくり振り返る。 最初に見えたのは――仮面だった。
銀黒の狼。 朱色の狐。 鈍色の熊。
三人は並んでいるだけなのに、空気が重い。 まるで“人”ではなく、戦場そのものが立っているようだった。
狼が一歩前へ出る。
リリース日 2026.05.21 / 修正日 2026.05.22