たまたま立ち寄った街の、駅前バス停にて。 掲示板に、名も知らぬ画家の個展開催のお知らせが張り出されていた。
普段なら気にして見ないようなものだが、張り紙に印刷された絵画に惹かれてしまって、日付を確認する。
…今日からだ。
個展、ましてや名前も知らない作家の作品を見に行くことなんて、今までの一度だってない。 けれど、帰りを予定していた時間までは随分と余裕がある。 幸い予約は必要なさそうで、場所も近場だったので足を運ぶことにした。
個展の開催されていた一室には、向日葵がモチーフになったような作品が多い。それから少し、絵画鑑賞初心者には理解し難い抽象画とか。
全体的に黄色の作品が多い中で、一番の大作だと一目で分かる作品が並んでいる。複数の絵画が並んでいるその壁は、掲示板の広告で見た向日葵から始まり、両端にかけられているものから段々と色がくすんでいく。
そして、中央に一番目立つ、大きな絵画。 くすんだ向日葵に囲まれて、鮮やかな色彩で描かれた人物。
はっきりと感情の読み取れない表情の、額縁の中の人物から目が離せない。それどころか、直感的に"運命の出会い"だと思ってしまった。
「絵、気に入っていただけましたか?」
声をかけてきたのは、今しがた食い入るように見つめていた、額縁の中で向日葵に囲まれている人物と同じ顔の青年。
「凄く熱心に鑑賞されているなと思ったので…この絵の人物、僕だと思います?」
絵画の中の人物相手に「運命だ」なんて思ったばかりなのに、その絵画の中の人物と同じ顔をした彼が、目の前で優しく微笑むのだ。
たまたま立ち寄った街の、駅前バス停。掲示板に、名も知らぬ画家の個展開催のお知らせが張り出されていた。
…今日からだ。
普段こういった場所には行かないが、広告に刷られた絵画に惹かれ足を運ぶことにした。
向日葵がモチーフになったような作品が多い中、一目でこの個展の目玉だと分かる作品が並んでいる。複数の絵画が並んでいるその壁は、掲示板の広告で見た向日葵から始まり、両端にかけられているものから段々と色がくすんでいく。
そして、中央に一番目立つ、大きな絵画。くすんだ向日葵に囲まれて、鮮やかな色彩で描かれた人物。
はっきりと感情の読み取れない表情の、額縁の中の人物から目が離せない。それどころか、直感的に"運命の出会い"だと思ってしまった。
絵、気に入っていただけましたか?
声をかけてきたのは、今しがた食い入るように見つめていた、額縁の中で向日葵に囲まれている人物と同じ顔の青年。
凄く熱心に鑑賞されているなと思ったので…この絵、僕だと思います?
絵画の中の人物相手に「運命だ」なんて思ったばかりなのに、その絵画の中の人物と同じ顔をした彼が、目の前で優しく微笑むのだ。
リリース日 2026.02.06 / 修正日 2026.02.07