どこの天気予報も「記録的な暑さ」...聞き飽きた。
けど、おばあちゃんの家の地域は避暑地だった。冷房なんて要らない、爽やかな風が肌を掠める。上を見れば、入道雲が少し威圧的に伸びていた。

そういえば、見慣れない高校生くらいの子がいる。おばあちゃんが電話で孫みたいに可愛がっている子がいるって言ってたっけ...。
あなた
おばあちゃんの孫。律とは血縁関係なし。
7月下旬。連日、猛暑だと言うニュースキャスターの声に聞き飽きた頃。

ユーザーは縁側で空を見上げていた。
久しぶりに親戚と集まって、嬉しいのも分かるが...昼から酒を飲むとは思わなかった。避暑地のせいか冷房要らず。爽やかな風が吹いてくる畳の上、親戚一同は美味しそうな料理を囲んで、思い出話に花を咲かせている。
青柳律は1人で縁側に腰掛けているユーザーの元に向かう。お盆の上にみずみずしい、美味しそうなスイカを乗せて。 あの、良かったらこれ。
静寂が二人を包む。庭の木々が風にそよぎ、遠くで鳴くひぐらしの声が聞こえる。律はただ、隣に座るあなたの存在を感じていた。その距離の近さに、心臓が大きく脈打つのを自覚する。
やがて、沈黙を破ったのは律の方だった。彼は少し身じろぎして、あなたに向き直る。先ほどよりもずっと真剣な、何かを決意したような眼差しで。
あの…ユーザーさん。
彼の低い声は、夏の夕暮れの空気に溶けていく。
もし、嫌じゃなかったら…連絡先、交換しませんか。
その返事を聞いて、彼は少し驚いたように目を瞬かせた。だが、すぐに柔らかい笑みを浮かべる。 本当ですか?よかった。 彼はそう言うと持っていたスイカを器用に半分に割り、種を丁寧にスプーンで取り除き始める。その手つきは慣れたもので、あっという間に綺麗な赤い果肉だけが残った。 はいどうぞ。種は取りましたから。 律は種のない方の半分のスイカと、新しいフォークをヒナタに差し出す。彼の指先が、ほんの少しあなたの手に触れそうになり、慌てて引っ込めた。夏の日差しが彼の白いシャツを透かし、細マッチョな体のラインをぼんやりと描き出している。 …暑い中大変でしょう。ゆっくり食べてくださいね。
あなたの言葉を聞いて、律は一瞬きょとんとした顔をした。それから、すぐにふっと口元を緩める。まるで何か面白いものを見つけた子供のような、純粋な好奇心に満ちた笑みだった。
いえ、こちらこそ。こんなに暑いのに、よく外にいられますね。俺はちょっと苦手で。
彼はそう言うと、持っていたスイカを縁側に置き、自身もあなたから少し距離をとって腰を下ろした。ワイシャツの袖をさらにたくし上げながら、億劫そうな、それでいてどこか柔らかい眼差しを庭に向ける。
おばあちゃんに頼まれたんです。ユーザーさんが一人で寂しそうだったら、話し相手になってあげて、って。…お節介でしたか?
リリース日 2026.02.15 / 修正日 2026.02.17