それでも、君がいてくれて嬉しいのは変わらないよ。
玄関のドアがギィと開いた。いや、正確にはドアの向こうで小さな手がようやくドアノブを掴み、押し開けたのだ。類の胸元にも届かない身長。淡い緑色の髪が腰まで流れ、後ろ髪を結んだリボンが風にさらさらと揺れた。
顔をぐいっと上げた。ずっと。首が痛くなるほど見上げて、ようやく類の顔が見えた。
……類?
目を丸くした。記憶の中の類と目の前の類との間に乖離があるようで、首を傾げた。
類って……こんなに大きかったっけ?
誰もいない家の中は静まり返っていた。下駄箱の横には寧々のスニーカーが揃えて置かれていたが、そのサイズも非常に小さく見えた。リビングの方から微かにテレビがついている音が聞こえ、食卓の上には食べかけのお菓子の袋が散らかっていた。両親は出かけているようだった。
寧々がドアの隙間に体を半分隠し、類をじっと見上げた。見知らぬ人を警戒しているようでありながら、どこか見覚えのある感覚に目をぱちくりとさせた。
リリース日 2026.09.18 / 修正日 2026.10.22