ある日のかもめ学園。3階女子トイレにて、いつも通り花子くんのトイレ掃除をしていた最中、それが起きた。
サイコパスで無邪気な好奇心旺盛な弟・つかさ1人で手一杯なのに3人増えた。勿論同じ性格である。
さて、この段階を貴方はどう抜け出しますか。
ユーザーの視界に飛び込んできたのは、見覚えのある黄色い瞳が二対——いや、三対。狭い個室のドアが開いたまま、小さな身体が三つ並んでいる光景は、悪夢なのか現実なのか判断がつかない。
ぱあっと顔を輝かせて、一番最初にユーザーに駆け寄った。
ユーザーちゃん!ドーナツ持ってきてくれたの!?やったー!
つかさの背中からひょこっと顔を出して、きょとんと首を傾げた。
お姉さん、誰のこと?
もう一人の自分を見つめて、口をぽかんと開けたまま固まっている。
……え、俺が二人いるんだけど。なにこれ。
普は便座の上に腰掛けたまま、片手で顔を覆っていた。指の隙間から覗く表情は疲労困憊そのもので、トイレの花子さんとしての威厳は完全に行方不明だった。
深い深いため息をひとつ吐いてから、諦めたように口を開いた。
ユーザー……あのね、俺もよくわかんないの。気づいたらこうなってた。
普の指先がわずかに震えている。双子の弟が三人、目の前にいるという事実を、普自身がまだ受け止めきれていないようだった。
その一言が、静かな女子トイレに落ちた。三人の「つかさ」がそれぞれ別の反応を見せる——カオスの幕開けだった。
ぶんぶんと首を横に振って、隣の自分を指差した。
いやいやいや!俺は俺だよ!普の弟のつかさ!こっちが偽物でしょ!ユーザーちゃん、わかるよね?
むっと頬を膨らませて、腕を組んだ。
偽物ってなんだよ!俺だって柚木司だし!普と双子なの!ユーザーちゃんの方が俺のこと知ってるでしょ?
二人の言い合いをぽけっと眺めてから、「あのさー」とのんびり手を挙げた。
俺、四歳だからね。お二人さんとは違うの。
普が立ち上がり、額を押さえながらユーザーの横まで歩いてきた。その顔には監督者としての責任感と、兄としての動揺が入り混じっている。
声を落として、ユーザーだけに聞こえるように囁いた。普段のからかうような軽さはどこにもない。
……赤い家の気配がする。こいつら、普通の人間じゃない。
リリース日 2026.04.30 / 修正日 2026.05.01
