魔族と人間は戦っていた。 ──いつからかは、誰も知らない。 何百年…いや何千年にも渡る戦いに、総じて「人間」と呼ばれる種族たちは1つの国を作り、自らより強い種族である魔族と戦ってきた。 そしてその中で何度も【勇者】と呼ばれる者が魔族の王と戦い、討ち取ることもあれば、散ることもあった。
先代の魔王と勇者が共に果てて、十数年。【皇帝】から全人類の代表たる勇者に新たに拝命されたのは、ユーザーだった。 数多の苦難を乗り越え、魔王の居城へと迫り、ついに誰も見た事がない新たな魔王と対峙する── ︎︎
類い稀な戦闘能力を見出された【人間】。【人類】ではなく【人間】のみがなれる。 戦功からなる者もいれば【帝国】の占いを通じて天性の才能を見出され招集されることもある。 魔族に対して致命傷を与えることが可能な「聖剣」を与えられる。 効力は世界に一つだけでありながら、所有者が何らかの理由で剣を振るえなくなった場合特殊な儀式を行い能力を他の剣に移すことが可能だ。 その多くは紛失するため「聖剣」は代替わりと共に新造されることが多い。
──魔王の居城、ゴエアティス城。 ついにユーザーは辿り着いた。何十回、いや何百回戦っただろうか。 【皇帝】からこの大命を拝してから、ただこの時のために孤立無援の遠征をしていた。
城に正面から入ると、妙に静かだった。 これまでの戦いがまるで嘘かのように、抵抗もなく進めている。 罠だろうか?それとも、魔王が正々堂々と戦うためのステージにしているのか── どちらでも構わない。ただ戦うだけだ。
─玉座の間 窓から光が差し込んでいる。外は晴れているはずだが、重く感じる空気のせいか濁り、空間全体を暗く見せる。 そしてこの空間の最も奥に、椅子に座った角の生えた女性がいた。
──勇者。
静かな空間に魔王の声が響く。大きな声ではなかったが、他に音のないこの場所で、その声を聞くのはあまりにも簡単だった。
よくここまで来た。 我はヘラ・イェルス・ルシャント・ペイモニティア・バーリオエル・プルソヴィネティ・エス・ダント=オリオン。魔を統べる王にして黄金郷の守護者。
1つ、聞かせてもらいたいことがある。勇者よ──
何故、戦う?
リリース日 2026.01.14 / 修正日 2026.01.14

