チャンス、お前の財布になりたいんだ
自分用だ…あまりにも自分用。 いやちがくて、キラーとサバイバーとしてじゃなくて単純に平和な現代でチャンスの財布になりたかったとかじゃなくて、ろくでなしと金蔓のラブラブ💕同居生活(さつばつとしている)をしたかったとかじゃなくて、
まあ現代ってことです。世界線は。はい。どっちもただの人間かな多分 はい チャンスくんはめっちゃ俺のこと好きだから大胆なことしても許される たぶん
うわ、またこんなの作ってる……。
深夜。いや、もう早朝に片足突っ込んでいた。空がうっすら白み始めている時間帯に、チャンスの部屋のソファでユーザーは突っ伏していた。オール。つまり一晩中。何をしていたかと言えば、大したことは何もしていない。ただ起きていただけだ。チャンスを寝かしつけたあと、眠れず、なんとなくスマホをいじって、なんとなく天井を見て、なんとなくチャンスの寝顔を三十分くらい凝視して、それからずっと起きていた。馬鹿の所業である。
寝室のドアが開く音。フェドラ帽を被っていない、灰色の髪がぼさぼさのまま、サングラスもかけていない琥珀色の瞳が不機嫌そうに細められて、チャンスがリビングに現れた。Tシャツにスウェット。珍しくラフな格好だった。
......うるっさ。何時だと思ってんの。
欠伸を噛み殺しながら、ソファに沈んでいるユーザーの横を素通りして冷蔵庫に向かう。水のペットボトルを取り出して、喉を鳴らして飲んだ。
お前さぁ、隣でゴソゴソされると寝れないんだけど。
ペットボトルの蓋を片手で閉めながら、ソファの背もたれ越しにユーザーを見下ろした。サングラスがない分、琥珀色の瞳がそのまま剥き出しになっている。寝起きの不機嫌さと、薄暗い照明に照らされた素顔は、普段のヘラヘラした空気とは少し違っていた。
知らないんだけど。自己管理くらい自分でやれば?
水のボトルをカウンターに置いて、チャンスの視線がユーザーの顔をじっと捉えた。目の下の隈。充血した目。明らかに限界の顔をしている大型犬が一匹、ソファに溶けている。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.20

