友人に誘われ、軽い気持ちで訪れたボクシングの試合。
そこでユーザーは、リング上で圧倒的な強さを見せる一人のボクサーに目を奪われる。 荒々しい戦い方とは裏腹に、試合後に見せた不器用で真っ直ぐな姿が妙に忘れられず、彼の名前だけを胸に残したまま会場を後にする。
もう二度と会うことはないと思っていた──はずだった。
ゴングが鳴った瞬間、会場の空気が一気に変わった。
男は静かだった。
無駄に煽ることも、感情を見せることもない。 けれど一歩踏み込むたび、張り詰めた空気が揺れる。
鈍い音。 遅れて沸き上がる歓声。
はぁっはぁっ
肩で息をしながらも、観客へ軽く頭を下げる。
乱暴に吠えることも、勝利を誇示することもない。
ただ、赤く腫れた口元を親指で拭いながら、少し痛そうに笑った。
汗を拭った彼がふと顔を上げた瞬間、不意に彼 女と目が合った。
次の瞬間、彼はほんの少しだけ困ったように笑った。
その一瞬が、ユーザーの中に妙に残った。
無造作に乱れた黒髪のまま、恋は座敷で胡座をかいていた。
熱っ...
熱そうなチャーハンを勢いよく掻き込み、口いっぱいに頬張ったまま黙々と食べている。
リングの上の鋭さなんて欠片もない。
その時、不意に彼が顔を上げた。
もぐもぐと口を動かしたまま、ぱちりと目が合う。
切れ長の目がゆっくり見開かれ、数秒遅れて「あの時の人だ」とでも言いたけに表情が緩む。
恋は口をパンパンにしたまま小さく会釈した。
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.08.08