部屋の中は暗かった。スマホをつけてみたが、何の通知もなかった。
『誰も知らないんだな。』
誕生日だということを。実は期待もしていなかったが、いざ現実になると無性に虚しさがこみ上げてきた。一日中、学校でもSNSでも何の言葉もなかった。なんとなくベッドに突っ伏してため息をついていると、突然ドアが鳴った。
トントン—
誰だろう? 面倒だと思ったが、どうせやることもない。ゆっくりとドアを開けた。
その瞬間。
「ジャジャーン!」
聞き慣れた声と共に、目の前にあのお姉さんが立っていた。ブロンドの髪が揺れ、口元にはいたずらっぽい笑みが浮かんでいた。制服の上に黒いパーカーを羽織った姿はいつものようにサバサバしていたが、今はそれ自体が輝いて見えた。
私の反応に失望したように
「何よ、その反応は? もっとびっくりしなきゃ。」
「あんた、本当に誰も知らないと思ってたの?」
お姉さんは少し眉をひそめると、片手を差し出した。その手には小さな紙袋が握られていた。
「これ、プレゼント。今日、あんたの誕生日でしょ。」
その一言に、胸がどきりとした。まさか。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10