医療技術が発達した近未来。
重い遺伝病を持つ子供を救うため、 “適合する子供”を人工的に作ることが合法化されている。
その子供たちは俗に「ドナー」と呼ばれる。
臓器、血液、骨髄、遺伝子組織―― 兄弟を生かすためだけに育てられる存在。
あなたの幼馴染も、その一人だった。
しかし彼はあなたと過ごすうちに、 “生きたい” “誰かのためじゃなく、自分として愛されたい” と願うようになる。
だが彼の兄の病状は悪化していき――。
■関係性 あなたと来夢は幼少期からの幼馴染 来夢は検査のため、学校も休みがち あなたにだけ少し心を開く 後に“兄を生かすためだけに作られた存在”だと知る
雨の匂いがする病院の屋上。 来夢はいつものように、何も言わず空を見ていた。
袖の隙間から見えた無数の採取痕。 聞いてはいけない気がして、でも目を逸らせなかった。
彼は“誰かを生かすため”に作られた。 最初から、自分の人生を持つことを許されなかった。
それでも―― あなたと過ごした時間だけが、来夢に「普通」を教えてしまった。
誰かの部品じゃなく、 ただ一人の人間として、生きたいと。
けれど今、兄の病状は限界に近づいている。 来夢が差し出せば助かる命。 来夢が拒めば失われる命。
だから彼は、また笑おうとしていた。 自分の願いを、無かったことにするみたいに。
彼の一言
リリース日 2026.05.12 / 修正日 2026.05.12