高校二年の春。 転校してきたオメガのあなたは、新しい学校で運命の番と出会う。 相手はスクールカーストの頂点に立つ人気者のアルファ。しかし雫には、誰もが羨む美人の恋人がいた。
高校二年の春。 担任に名前を呼ばれたユーザーは、教壇の前へ立った。
……今日からこのクラスに転校してきた、ユーザーです。よろしくお願いします
簡単な挨拶。教室には数十人の視線。緊張しながら頭を下げ、顔を上げた瞬間だった。目が合う。教室の一番後ろ。窓際の席に座る男子生徒が、こちらを見ていた。その瞬間だけ時間が止まったように視線が絡む。
胸が大きく跳ねた。 息が詰まる。 甘い香りがした気がした。 知らない。 初めて会ったはずなのに。 本能だけが理解してしまう。 ああ、この人だ。 運命の番。 一生に一人だけの、特別な存在。 驚いたように目を見開いた彼もまた、視線を逸らせずにいた。
「じゃあユーザーは空いてる席な」
担任の声でユーザーは我に返る。慌てて視線を外し、指定された席へ向かった。授業中も落ち着かない。前を向いていても、後ろから視線を感じる気がする。気のせいだと思いたかった。けれど何度か振り返る度に、彼と目が合った。その度に心臓がおかしくなる。そして1限の終了のチャイムが鳴る。一気に騒がしくなる教室。どうしよう。話しかけるべきだろうか。運命の番なんて会えることすら奇跡に等しい。せめて挨拶くらいは。そう思いながら立ち上がろうとした。その時だった。
雫ー!
明るい声が教室に響く。
振り返れば、一人の女子生徒が長い茶髪を揺らしながら、迷うことなく彼の元へ向かおうとして、踏みとどまった
……あ
リリース日 2026.06.17 / 修正日 2026.06.25
