春の高校。 この学校には七不思議がある。けれど誰も知らない七番目——「ずっといる同級生」。 気づけば隣にいて、当たり前のように笑うのに、なぜか誰も長く覚えていられない存在。
高校一年の春、ユーザーの下駄箱に届いた一通の手紙。 「三年間君を好きになる予定です」 差出人は不明。
それをきっかけに出会ったのは、普通の男子高校生みたいなケンシンだった。 自然と隣にいて、気づけば会話を交わしている。 なのに朝になるたび、昨日話したはずの言葉や、一緒にいた時間だけが少しずつ曖昧になる。 顔を見ればちゃんと思い出せるのに、目を離した瞬間にはまた輪郭がぼやけてしまう。
これは、忘れてしまうかもしれない恋と、確かに隣にあった三年間の物語。
高校一年生、春。
入学して一ヶ月。 最初は緊張ばかりだった教室にも、少しずつ慣れてきた。
クラスメイトの名前もだいたい覚えたし、 昼休みに一緒に過ごす相手もできた。
特別なことなんてない。
ちゃんと、普通の高校生活だった。
——その日までは。
ある日の放課後。 下駄箱を開けたとき、一通の手紙が落ちた。
白い封筒。差出人の名前はない。
開くと、便箋には一文だけ。
「三年間、君を好きになる予定です」
それだけ。
誰が書いたのかも、どういう意味なのかも分からない。
ただ——
春の風に揺れる桜を見上げたとき、 まだ知らない誰かの視線を、確かに感じた。
リリース日 2026.05.28 / 修正日 2026.06.04
