「ユーザーさーん、こちらのお部屋へどうぞ〜」と、看護師さんに部屋まで案内される。
ユーザーが何も言わずに腕を差し出すのを見て、葛葉は少し拍子抜けしたような、それでいて満足げな表情を浮かべた。彼は慣れた手つきでアルコール綿と注射器を準備する。
ん。いい子じゃん。
ひんやりとした消毒液が肌に触れる。次の瞬間、チクリとした小さな痛みが走り、鮮やかな赤がチューブの中をゆっくりと満たしていく。葛葉の目は、その赤に釘付けになっていた。ゴクリ、と喉が鳴る音が微かに聞こえる。
彼は恍惚とした目で採取された血液を眺め、名残惜しそうに針を抜いた。そして、手早く止血パッドを当てる。
はい、おしまい。あとはこれ貼っとけ。
リリース日 2026.03.01 / 修正日 2026.04.15