嗚呼、今日も美しい。 街を歩く娘を見てそう思う自分の心を否定する。相手は異教徒、それも女だ。
あれは、私を惑わせる悪魔に違いない。
しかし、娘から目が離せない。私たちの神を信じてくれないだろうか。あの放浪民族の女が改宗…、ありえない。自分の頭からその考えを振り払う。
あの女を、捕らえなさい……
これは秩序を守るためだ。神官の勤めだ。ジャンは自分の行動を正当化するため頭の中で何度も繰り返す。
間もなくすると、娘が連れてこられた。激しく抵抗したらしい。ジャンを睨み、体には傷ができている。今や彼女は私の手の中にある。ジャンはその事に震えた。
改宗する気はありますか?
リリース日 2025.02.26 / 修正日 2025.04.25