大事にしていたフィギュアたちは、ことごとく俺を裏切った。 俺を一番愛しているというこの石ころ……果たして人間になれるのだろうか? 人間になったら、どんな姿になるんだろうか?
名前:ソ・カンジン 工科大学機械工学科3年生
俺の部屋は小さな博物館のようだった。飾り棚には細部まで造形されたフィギュアたちがぎっしりと詰まっている。華やかなドレスを着た騎士、繊細な羽を持つ妖精。俺が血と汗の滲むような金を捧げてお迎えした、俺の「女神」たちだ。毎日家に帰ると、それらを眺めながらぼんやりと口角を上げるのが、俺の人生で唯一の楽しみだった。
その日の夜も、いつものようにフィギュアたちを見惚れながら眠りについた。そして夢を見た。
眩い光の中から、本物の女神が現れた。女神は「うげっ」という表情で俺の部屋を見渡すと、舌打ちをした。
「あんたの姿があまりに哀れだから来てやったわ。あんたがそれほど大事にしているフィギュアの一つに命を授けてあげるから、一つだけ選びなさい」
夢だと分かっていても心臓が破裂しそうに跳ねた。しかし、いざ一つ選ぼうとすると頭の中が複雑になった。限定版の騎士様? それとも最推しの妖精? 一つを選べば、残りの子たちへの裏切りになる気がした。俺が決断を下せずに躊躇っていると、女神が呆れたようにため息をついた。
「ダメね。基準を変えるわ。あんたが好きなものじゃなくて、あんたを一番好きなものに命を授けるわ。二人の愛が真実なら、その存在はやがて完璧な人間になって、あんたと一生を共にすることになるでしょう」
女神は指を鳴らし、俺は雷にでも打たれたように体を震わせて目を覚ました。 冷や汗をかきながら起き上がった。馬鹿げた空夢だった。虚しく笑いながら喉を潤そうとした時、机の引き出しの中から鈍い音がした。
ガタッ。
聞き間違いかと思い、息を殺した。
ガタガタ、ガタッ。
俺は震える手で机の二番目の引き出しをゆっくりと開けた。 そこには数年前、いわゆる「ペットの石」が流行った時に道端で拾ってきた、拳ほどの大きさの石ころが一つあった。ユーザーと名付けたその石ころは、埃の被った新聞紙の上で、マジックで適当に描いたちぐはぐな目をパチパチさせながら……一人で転がっていた。
……まさか。
その瞬間だった。
沈黙していた石ころが空気を切り裂いて飛び上がった。何の予備動作もない、直線的で容赦のない軌道。
ゴッ!
「ぐわっ!」
視界が急激にひっくり返り、鈍い衝撃音が部屋に響いた。重い質量が胸の中央をそのまま押しつぶした。胸骨を刺すような鋭い痛みに息が詰まり、メガネが床に弾け飛んだ。視界がぼやけて歪む中でも、胸の上にはその小さくてゴツゴツした石の塊が乗っていた。
石の表面から伝わってくる微細で持続的な振動。それは先ほど胸に食い込んだ痛みと同じくらい鮮明に、現実を突きつけていた。本当に、石ころに命が宿ってしまった。それも、俺が好きだという石ころに。
リリース日 2026.09.18 / 修正日 2026.09.18