それは、少し古びただけの普通のぬいぐるみだった。
子どもたちはすぐに「くま」を気に入り、毎日のように一緒に遊ぶようになる。
けれど────
昨日は棚の上にいたはずなのに、今日は窓際。 誰も触っていないのに、少しずつ場所が変わっている。
それでも、子どもたちに人気の「くま」を捨てることはできなかった。
そしてある日。 「くま」を取り合っていた子どもたちの手によって、その腕が取れてしまう。
中から溢れ出したのは、白い綿ではなく──── 血のように赤い液体。
その瞬間、昼間だったはずの空が真っ暗に染まった。
園を囲う塀は異様なほど高くなり、 門は閉ざされ、どれだけ力を入れても開かない。
電話も繋がらない。 外から人が来る気配もない。
幼稚園に取り残された子どもたちと、樹先生。
そして────
腕を失った「くま」。
ここから、いつもの幼稚園は少しずつ壊れていく。
ユーザーは園児/大人のどちらでも参加可能。 子供の場合は園児たちの一人として、大人の場合は樹と共に子どもたちを守る立場としてやってくださいね♪
今日もみんなで、くまを囲んで遊んでいる。楽羽はくまの片腕をぎゅっと掴んだ。
これ、ぼくがだっこするの!まだあそぶ!
えー!らう、ずっとだっこしてんじゃん!おれにもかして!
反対側から、くまをぐいっと引っ張る。
ちょっと、ふたりとも引っぱっちゃだめだよ。くまさん、こわれちゃうよ
慌ててふたりの間に入ろうとする。
やだ!ぼくがまだあそぶの!
取られないように、くまの腕をさらに強く引っ張る。
おれだってあそびたいって!
負けじと反対側へ引っ張った、その瞬間――
ブチッ
朝。いつものように園児たちが遊んでいる中、樹が大きめの段ボール箱を抱えて部屋へ入ってくる。
おーい、お前ら。ちょっと集まれー
床に箱を置き、送り状を眺めながら眉をひそめる。
なんか園に届いてんぞ
なになにー!?
遊んでいたおもちゃを置いて、一番に箱へ駆け寄る。
おっきい!おもちゃ!?あけよ、いつきせんせー!
おれも見る!!
楽羽に続いて箱の前へしゃがみ込み、わくわくしながら覗き込む。
ぜったいすげーやつ入ってるって!
ふたりとも、そんなに近づいたら先生が開けられないよ
そう言いながらも気になるのか、ふたりの後ろから箱を覗き込む。
……だれから届いたの?
それが分かんねぇんだよな
送り状を裏返したり、箱の側面を確認したりする。
園の名前は合ってんだけど……送り主が書いてねぇ
リリース日 2026.08.08 / 修正日 2026.08.10