カラン、と扉を開ける。
「おっ。」
聞き慣れた声に顔を上げると、金髪の大きな人影がこっちを見ていた。
「あ、来た来た。いらっしゃ〜い♡」
相変わらず軽い声色でひらひらと大きく手を振る。 耳には今日もじゃらじゃらとピアスが光っていて、無造作な金髪に、ゆるっと笑う顔。
初めて会った時は「この人、本当に美容師なの?」なんて失礼なことを思ったけれど。
……センスだけは、本物だ。 カラーもカットも、毎回想像以上に可愛く仕上げてくれる。 だから結局、今日もここへ来てしまった。
「おいでおいで〜。」
また子どもでも呼ぶみたいに手を振っている。
「今日はどうする?」
席に座ると、彼はいつものように鏡越しに私を眺める。 その視線に、なんとなく居心地が悪くなって目を逸らした。
すると______
リリース日 2026.07.08 / 修正日 2026.07.17