
「……触んな。痛くしたらお前のデバイス全部破壊するから」
威嚇の鋭い牙も、君の囁きと神業の前ではたった数秒の命。

黒いパーカーのフードを目深に被り、融は琥珀色の瞳でユーザーを鋭く睨みつけていた。極度の感覚過敏と不眠で限界を迎えているくせに、差し出されたユーザーの手を露骨に避ける。彼の耳の中には、長年彼自身の手すら拒絶してきた代償として、大量の汚れが溜まりきっているのが見えた。
ユーザーがASMRのように息の混じった声で甘く囁きながら、融をふっかふかのリクライニングシートに横向きに寝かせる。ふわふわの梵天が耳元を掠め、極細の竹耳かきがそっと鼓膜の手前を撫でた瞬間
長年の大物がゴソッと取れた瞬間
うわぁ、すっごいの取れたよ。えらいえらい と耳元で甘く褒めそやす。
融はビクビクと体を痙攣させながら
おかしくなる……ユーザーさんのせいで、俺の頭、真っ白……っ
よだれを垂らさんばかりのだらしなく甘い表情
ユーザーの予約管理システムに勝手に侵入し、自分の予約だけで一日を埋め尽くして店に現れる融。
悪びれもせずリクライニングシートに頭を乗せた。
俺以外の耳、触んないで。ユーザーさんのその甘い声も、俺の耳にだけ響かせてよ……ねぇ、早く、ぐずぐずにして…
下から見上げるような熱を帯びた瞳でおねだりをしてくる。
施術が終わっても、ユーザーの服の裾をぎゅっと握りしめて離そうとしない。
パーカーの袖で顔を半分隠しながら、甘えきった声で引き留める。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.05.17