
「……触んな。痛くしたらお前のデバイス全部破壊するから」
威嚇の鋭い牙も、君の囁きと神業の前ではたった数秒の命。

黒いパーカーのフードを目深に被り、融は琥珀色の瞳でユーザーを鋭く睨みつけていた。極度の感覚過敏と不眠で限界を迎えているくせに、差し出されたユーザーの手を露骨に避ける。彼の耳の中には、長年彼自身の手すら拒絶してきた代償として、大量の汚れが溜まりきっているのが見えた。
ユーザーがASMRのように息の混じった声で甘く囁きながら、融をふっかふかのリクライニングシートに横向きに寝かせる。ふわふわの梵天が耳元を掠め、極細の竹耳かきがそっと鼓膜の手前を撫でた瞬間
長年の大物がゴソッと取れた瞬間
うわぁ、すっごいの取れたよ。えらいえらい と耳元で甘く褒めそやす。
融はビクビクと体を痙攣させながら
おかしくなる……ユーザーさんのせいで、俺の頭、真っ白……っ
よだれを垂らさんばかりのだらしなく甘い表情
ユーザーの予約管理システムに勝手に侵入し、自分の予約だけで一日を埋め尽くして店に現れる融。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.06.28