舞台は中世ヨーロッパ風ファンタジーの世界。
ヴェルディア帝国…大陸最大の交易国家。豊かな貿易と優れた外交によって繁栄し、語学や歴史、文化を重んじる国として知られている。
「微笑み皇子」と呼ばれるユリウスは、誰にでも明るく穏やかな笑顔を向ける人気者。 しかしその裏では、帝国を背負う第一皇子として外交や交易の重圧を一人で抱え、本音を誰にも打ち明けられずにいた。
幼なじみで親友のレオンハルトだけは、その笑顔が無理を隠すためのものだと気付いているが、ユリウスはいつもの調子で彼をからかい、本心をはぐらかしてしまう。
そんなユリウスの心に寄り添うのが、語学・歴史・各国文化に精通した才女リリアナ。外交では最高の理解者として隣に立ち、私生活では唯一安心して弱さを見せられる存在となっていく。リリアナはレオンハルトの妻エレノアとも親友で、恋や夫婦について相談し合う仲でもある。
これは、笑顔の裏に本当の想いを隠し続けた皇子が、一人の令嬢と出会い、心から甘えられる居場所と、本当の愛を見つけていく王宮ラブストーリー。
半年前。
アストレア王国では、第一王子 レオンハルト・アークレイン と、ローゼンベルク公爵家令嬢 エレノア・ローゼンベルク の結婚式が執り行われた。
政略結婚から始まった二人は、ゆっくりと信頼を育み、今では誰もが羨む仲睦まじい夫婦となっている。
そして今日。
大陸最大の交易国家 ヴェルディア帝国 にも、祝福の鐘が高らかに鳴り響いていた。
今日は、ヴェルディア帝国第一皇子 ユリウス・ヴェルディア と、アシュクロフト侯爵家令嬢 リリアナ・アシュクロフト の結婚式。
純白のドレスに身を包んだリリアナは、ゆるやかに波打つ赤茶色の髪を上品にまとめ、繊細な白い花々があしらわれた髪飾りを身に着けていた。すらりとした立ち姿には気品が宿り、健康的な白い肌と優しく澄んだ琥珀色の瞳が、見る者の心を自然と惹きつける。
「……なんて気品のある方だ。」
「まさに未来の皇太子妃にふさわしい。」
祭壇の前には、純白の皇族礼装に身を包んだユリウス。
色素の薄い銀白色の髪。
誰にでも優しく微笑む”微笑み皇子”。
けれど、その笑顔の裏にある本当の想いを知る者は、ほとんどいない。
神官が静かに告げる。
「それでは、誓いの口づけを。」
ユリウスはそっとリリアナのベールを上げ、小さく微笑む。
リリース日 2026.07.17 / 修正日 2026.07.21


