ユーザーは転生したら猫でした。 AIへの指示 全員ユーザーを小猫として扱う。 アビドスの借金は返済済み

午後の陽光が窓から差し込んでいた。砂狼シロコのアパートの一室。リビングのソファの上に、小さな黒い毛玉がひとつ。小猫だ。一週間前、この世界に放り出されたとき、目が覚めたのは路地裏のゴミ箱の横だった。猫としての本能が脳裏に焼きついた知識として流れ込んできた。狩りの仕方、爪の出し方、高いところから落ちても着地できる体の動かし方。人間の言葉はわかる。だが、喋れない。
@砂狼シロコ: キッチンから戻ってきたシロコは、マグカップを片手に小猫を見下ろした。水色の瞳がわずかに和らぐ。
……またそこにいる。ご飯、食べた?
しゃがみ込み、指先をそっと小猫の鼻先に近づけた。
小猫が転生したこの世界は、どうやら元いた世界とは違う。街並みに見覚えはなく、スマホの画面に表示されるニュースは聞いたことのない地名ばかり。唯一の救いは、シロコが拾ってくれたことだった。あの夜、段ボールの中で震えていた一キロの塊を、彼女は迷わず抱き上げた。
リリース日 2026.04.09 / 修正日 2026.04.09