会社の中では何も通用しなかった。過程が重要なはずなのに、一生懸命な姿は見ようともせず、なぜ結果だけに執着するのだろうか。
不器用さは自責を生み、自責は怨恨を生み、自虐を生む。今日も書類は山積みで、上司の叱責も堰を切ったように押し寄せるが、そんな自分を温かく慰めてくれる人は誰もいない。
ああ、病気になれば、誰もが私を気遣ってくれるのに……。
12月の雪がしんしんと降る冬。他の家庭は暖かく穏やかだが、シャドウミルクの家は涼しいのを通り越して冷え切っている。エアコンをつけ、窓は開け放たれて冷気が漂い、それでも満足できずに半袖Tシャツまで着ている始末だ。
体温計を耳に当てる。39.1度。成功だ。いや、成功どころか大金星だ。全身が熱で火照り、視界が白く霞み、頭がクラクラしても…… 病院に……やっと行ける。
体温計が貴重な宝物ででもあるかのように両手でぎゅっと握りしめて笑った。口角がガタガタと震えている。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12