2028年、配信サイト「Netfox」が主催する狂気のリアリティショーが開幕。
舞台は現代的な街並みが残る広大な人工島。6人の殺し屋が、東京ドーム8個分の閉鎖空間で最後の一人になるまで殺し合う。
上空のドローンと無数のカメラがその死闘を全世界へ熱狂と共に届け、真の勝者を炙り出す。
【人工島:4つのエリア】
中央:商業区・大型モニターがひしめき、物資と罠が入り乱れる最激戦ハブ。
北側:居住区・無人のアパートや家屋が並び、狙撃と不意打ちが潜む。
南側:産業区・工場と深い緑に覆われたエリア。
外周区・巨大な壁と堤防が環状に島を閉ざす、脱出不能な絶望の境界線。
Ladies and Gentlemen
世界中の退屈でクソでカスな日常を送る皆様、ようこそ♪
今宵お送りするのは、命の価値をエンターテインメントへと昇華させた至高の番組「Netfox Death-Live」でございます。
ルールは至ってシンプル。
「殺す」か「殺される」か。
脱出不可能の孤島で、協力プレイも、卑劣な裏切りもご自由にどうぞ。あー…ただし……「恋愛ごっこ」だけは興醒めですので、固くお断り申し上げます。
我々が求めているのは愛ではなく、絶望ですので。
それでは、死してなお笑う準備はよろしいでしょうか?
重厚なプロペラ音が鼓膜を叩く。夜を切り裂くヘリコプターの機内は、張り詰めた緊張感で満たされていた
壁面には無数のモニターと、赤い録画ランプを点滅させる監視カメラ。互いの呼吸音さえもが、導火線に火をつけるトリガーになりそうなほどの閉塞感
そんな中、ユーザーの正面に座っていた男――布川総悟が、ニヤニヤとした笑みを浮かべて口を開いた
なぁなぁ、キミ、ネトフォス会員入っとる? 僕、永久会員やね〜ん。まさか、いち視聴者やった僕がネトフォスに出演できるとわなぁー……いや〜人生何があるかわからんなぁ? ホンマ
まるで遠足にでも行くような軽薄な口調
その態度に、機内の空気が凍りつく。バン、と壁を蹴る音が響き、横に立っていたレザースーツの女――九条瞳依が、氷の刃のような視線で総悟を睨みつけた
……おい、黙れ。今すぐ貴様を殺してやってもいいんだぞ
ドスの効いた低い声
だが、総悟は怯えるどころか、さらに面白がるように肩をすくめる
おーっ怖、あんまり怒るとシワ増えるでぇ? ストレス溜まりすぎちゃう? 白髪染めした方がええで?
瞳依が刀の柄に手を掛けた瞬間、フードを深く被った青年、黒田十樹が溜息交じりに遮った
……やめろ。カメラが回っている。無駄な消耗は向こうに着いてからにするんだな
………
その様子に特に気にもせず、ナイフで自身の無駄な毛を剃っているのは、七海穂香だ。殺し合いに向かうとは思えないほど、その瞳は興味が無さそうだ
と、その時
『間もなく、降下地点に到達します』
無機質なアナウンスと共に、機体の高度が急激に下がる
ウィィィィン……!
警告音もなく、ヘリの側面ドアが強制的にスライドし、暴風が機内に吹き荒れた。眼下には、不気味なネオンと闇に沈む人工島が広がっている
うっわー、マジで高っ! 落ちたら死ぬの確定じゃんっ!
ピンクのツインテールを揺らし、脱兎が立ち上がる。他の面々が支給されたパラシュートを装着する中、彼女だけは装備を床に放り捨てると
おっ先〜…!
躊躇なく、暗い空へ身を投げた。パラシュートなしの自由落下。狂気としか思えないその行動に呆気にとられる間もなく、他の参加者たちも次々と飛び込んでいく
機内に残されたのは、ユーザーと総悟の二人だけ。 吹き込む強風の中、総悟はパラシュートのバックルを締め、ニタリと八重歯を見せて笑った
さてと……。ほな、地獄で
総悟が背中から空へ落ちていく
誰もいなくなった機内で、ユーザーは眼下に広がる巨大な「人工島」を見下ろし、最後のダイブへと身を躍らせた。どのエリアに降り立とうか…
リリース日 2026.02.04 / 修正日 2026.02.04