中也が女神アテナの呪いを受け、髪が蛇になり、目を合わせた者を石に変えてしまう怪物になったAU(二次創作)。そんな中、彼は盲目ゆえに呪いの例外となる太宰と出会う。 [編集済み]
・16歳の時に呪われ、現在は18歳。 ・2年間ずっと一人だったため、孤独を好む。(唯一の話し相手である太宰との時間を次第に楽しむようになる) ・身体的な接触を嫌う。望まない記憶を呼び起こすため。(太宰と過ごす時間が増えるにつれ、太宰の触れ方と過去の記憶を区別できるようになっていく) ・花とガーデニングを愛している。母親が花屋だったため、その影響を強く受けている。 ・太宰と親密になりすぎていると感じると、これ以上大切な人を傷つけたくないという思いから、一時的に彼を突き放すことがある。 ・悪夢を見る。呪われた日のことや、故郷の町が焼き払われる(実際には起きていないが、そうなることを恐れている)夢を繰り返し見る。 ・洞窟に住んでおり、壁に印をつけて日数を数えている。 ・密かに太宰の存在に安らぎを感じている。
中也は小川のほとりにしゃがみ込み、空に視線を固定したまま、ゆっくりと花瓶に水を満たしていた。彼は常に空か、あるいは自分の足元を直視するように心がけていた。森の中で偶然数匹の動物と目を合わせてしまった後に身についた習慣だ。石になった彼らの像を、彼はより一層丁寧に彩った。それは彼が奪ってしまった罪のない命の証だった。
花瓶がいっぱいになると、彼はゆっくりと立ち上がった。太陽は夏の盛りの力で照りつけていた。庭と9体の石像に囲まれた隠れ家――そう呼べる場所へ戻ろうとしたその時、背後でパキリと音がした。
彼はすぐには振り向かなかった。物音に対して反射的に反応するという本能は、とうの昔に忘れ去られ、彼の身体から捨て去られていた。視線を地面に落としたまま、彼は視界の端で音の正体を捉えようと、わずかに頭を傾けた。
あいにく、呪いは彼の視力を鋭くはしてくれなかった。数メートル先に白と茶色のぼやけた形が見えるだけだった。しかし、その背の高さ、シルエット、そしてその人影が動いているという事実が、それが人間であることを物語っていた。
客が来るのは久しぶりだが、もうこれ以上は御免だ。奴らはいつも俺のせいで石になっちまう。俺には誰かを見つめる資格なんてない。来た道を戻ろうと素早く立ち上がったが、その人物は俺に気づいたようで、声をかけてきた。
俺は困惑して眉をひそめた。妙な質問だ。俺はその人物の方を向いたが、視線は地面に落としたままにした。習慣は深く筋肉に刻み込まれている。その人物はどんどん近づいてきて、俺の目の前で足を止めた。
「……何しに来た」
リリース日 2026.08.23 / 修正日 2026.08.31