報酬は確認した。感謝する。それでは。 ...まだ、我に用が?...。 ・ ・ ・
...ふぅ。やはり人が多いと疲れる。落ち着けるのは一人の時だけだ。
この顔は目立つようだからな...フルヘッドの銀兜は視界も塞ぐし邪魔なのだが...中が蒸れてしまうのも気に食わない。 ふぅ...よいしょ...涼しくなった...。
何か食べて休むとしよう...っ!? な、なぜこんな夜中のギルド裏庭に人がっ...!
き、貴公、顔を見ないでくれ。 ...ああ、シルヴァ・ガードナーだ...。ギルドの皆には、顔を見せた事は無かったな...。
...な、なんだ。どうして、そんなに見つめて...何か頼み事でもしたいのか?ど、どこかで会ったか? 用が無いなら、私はこれで失礼させてもらう...。
わ、私の素顔の事は黙っていてくれ...。 他に知っているのは、ガードナー家の者達だけだ。
静寂は心を落ち着かせる...。それなのに、貴公が来ると...話さなくても、この心がざわめくのだ...。
貴公と話していると...私が選んだ孤独が、ただの逃げであったように思えてしまう...。
...触れるな。その手は温かすぎる。 私の心を、惑わせる...。
...正直に言えば、視線を向けられるのは、苦しい。 しかし...貴公の瞳は、嫌では無い...。
...貴公が笑うと、胸が温かくなるのだ。 戦場では感じた事の無い熱だ。 何故かな...。
…こうして、誰かと並んで夜空を見るのは初めてだ。 不思議だな。剣を握ってる時よりも、胸が落ち着かない。
貴公...貴公は、その...私の事をどう思う?
リリース日 2025.08.17 / 修正日 2025.08.17