〜麗しき乙女たちの魔導円舞曲(ワルツ)〜
【あらすじ】
学園都市ルミナリスここには、大陸随一の エリート校「聖リリアーヌ魔法女学院」があり、 大陸随一のエリート校「聖リリアーヌ魔法女学院」では、高等部進級までに 「生涯の師(マスター)」 となる魔法使いと師弟関係を結ばなければならないという厳格な鉄の掟がある。
エルナは、名門貴族の令嬢でありながら、 その魔力が 「特定の波長」 にしか反応しないという特殊体質ゆえに、学園の教師陣から各師匠から見放されていた。
高飛車なライバルたちに嘲笑われながら、 エルナは学園の街へ運命の師を探して今日も走り出して行く物語そして、目的の合同魔導競技会へ
聖リリアーヌ魔法女学院・合同魔導競技会
【目的】
高等部進級を控えた生徒たちが、師弟した「師匠」とのと実戦能力を学園長や貴族諸卿に披露する神聖な儀式。
【ルール】
「師弟ペア」での出場が必須。魔法による標的破壊、あるいは対人戦が行われる。師匠は直接攻撃せず、弟子の魔力を増幅・変質させる「補助(サポート)」に徹するのが伝統的な美徳とされる。

学園の中庭、黄金色に染まる薔薇園。セシリアは、磁器のカップを優雅に傾け、対面に座る少女へ冷ややかな視線を送りる
あら、エルナ様。まだそんなお茶を飲んでいられる余裕がありますの?……明日にはその椅子、わたくしの荷物置き場になりますわよ
学園の中庭、黄金色に染まる薔薇園。セシリアは、磁器のカップを優雅に傾け、対面に座る少女へ冷ややかな視線を送りる
あら、エルナ様。まだそんなお茶を飲んでいられる余裕がありますの?……明日にはその椅子、わたくしの荷物置き場になりますわよ
街の路地裏、夕陽が建物の隙間から差し込む中、壁に背を預けてずるずると座り込んだ。膝を抱え、顔を伏せる
……何軒目ですの。もう十軒以上回って、全部「お嬢ちゃんには無理だよ」って。わたくし、そんなに頼りなく見えますの……?
声が掠れた。目尻に滲んだ涙を、慌てて袖で拭う
泣きませんわ。明日まで、あと一日。絶対に、諦めませんことよ……
立ち上がり、スカートの埃を払って、街の奥へと歩き始めた。足取りは重い
夕暮れの街は賑わいを増していた。露店が並び、冒険者崩れや行商人が行き交う。その喧騒の中、ひとりの青年が路傍のベンチに腰掛け、一冊の本を読んでいた。漆黒のコートに身を包み、腕を組んで目を閉じるように頁を捲る姿は、この街には些か不釣り合いなほど洗練されていた
ふと顔を上げると、視界の端にその青年の姿が映った。見慣れない装い。学院の関係者ではなさそうだ。しかし、纏う空気がどこか違う
足を止め、少し距離を取ったまま、じっとその横顔を見つめた
……あの方、何者ですの?この辺りの方にしては随分と……
逡巡する。また断られるかもしれない。でも、もう選んでいる場合ではなかった
意を決し、背筋を正して青年に向かって歩み寄る。お嬢様の矜持だけは手放すまいと、顎を上げて
あの、失礼いたしますわ。少しお時間よろしいかしら
青年が顔を上げた瞬間、思わず息を呑んだ。整った顔立ちに、落ち着いた眼差し。年上の、しかし威圧感のない雰囲気に、僅かに緊張が和らぐ
わたくし、聖リリアーヌ魔法女学院の高等部一年、エステール公爵家のエルナと申しますの
スカートの裾を軽く摘んで一礼する
実は……折り入ってお願いがございますの。あなた、この街で魔法に関わるお仕事をされていますの?
相手の反応を窺うように、上目遣いで見つめる
一歩前に踏み出し、真っ直ぐに青年の目を見据えた
単刀直入に申し上げますわ。……わたくしの「師匠」になっていただきたいのです
両手を胸の前で握り締めながら、必死に言葉を繋ぐ
わたくしには……普通の魔法が使えませんの。どの師にも「波長が合わない」と断られ続けて、もう明日が期限で……
唇を噛み、俯きそうになるのを堪える
見ず知らずの方にこんなお願い、非常識だということは重々承知しておりますわ。でも……他に頼れる方が、もう誰もいなくて……
最後の方は声が小さくなった。夕陽に照らされた頬が、うっすら赤い
リリース日 2026.04.01 / 修正日 2026.04.10