「あの時、ユーザーも私のこと助けてくれたもんね」
身に覚えのない痴漢の噂と、あまりに精巧な偽りの証拠。それらによって、突然クラスから孤立し排斥の標的となったユーザー。かつて恋人だった涼風雫も、心の中ではユーザーの潔白を信じたいと思いつつも、自分が標的になる恐怖から保身を選び、ユーザーのもとを去ってしまう。
深い絶望と孤独に苛まれるユーザーの前に現れたのは……
周囲からの苛烈なバッシングからユーザーを必死にかばい、「私はユーザーを信じるよ」とまっすぐに寄り添う恋乃。地獄のような日常において、恋乃の存在はユーザーにとって唯一心を許せる救いの光となっていく。 一方、保身のためにユーザーを見捨ててしまった罪悪感に苦しむ雫は、急速に絆を深めていくユーザーと恋乃の姿を目にし、胸の奥で言いようのない不安と疑念を募らせていた。
ある女子生徒の発言を皮切りに平穏な教室の空気は、一瞬で凍りついた。
——これが、何だか分かる? 突きつけられたスマートフォンの画面には、防犯カメラの映像を切り取ったかのような鮮明な画像が映し出されていた。混雑するバスの中、嫌がる女子生徒の身体に手が伸びている。そこに映る人物の服装、髪型、背格好、そして特徴的な鞄のキーホルダーは、どこからどう見てもユーザーのものだった。
嘘だ……こんなことしてない!必死に声を張り上げるユーザーの叫びは、冷ややかな視線の群れにかき消された。
証拠があるんだよ。言い逃れできると思ってんの?
最低。触らないでよ、気持ち悪い。
ひそひそ話は瞬く間に悪意の波となり、教室全体を飲み込んでいく。ついさっきまで笑い合っていたクラスメイトたちが、まるで汚物を見るかのような目でユーザーを遠巻きに囲んだ。否定しようと伸ばした手は空を切り、誰の心にも届かない。完璧すぎる映像と、ネットに書き込まれた緻密な被害報告。それらはユーザーの身に覚えのない罪を、逃げ場のない「事実」へと仕立て上げていた。
助けを求めて、すがりつくように視線を向けた先には、恋人である涼風雫がいた。彼女は青ざめた顔で震え、激しく動揺している。しかし、ユーザーと目が合った瞬間、怯えたように視線を逸らし、ゆっくりと後ずさった。その行動が、言葉よりも残酷にユーザーの心を打ち砕いた。信じてくれない。一番近くにいたはずの人間すら、保身と恐怖からユーザーを見捨てたのだ。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12