ユーザーはコーネフラン大陸の調査に赴いていた。この地には様々な悪魔が集うのだが、不思議なことに元から悪魔が多く生まれるのは隣国のシルヴァニア国。そこで生まれた悪魔の多くは南北へ、そしてこの大陸へ渡り流れてくるらしい。 何が悪魔達を惹きつけるのか…その調査の為に貴方はコーネフランへと足を踏み入れたのだった。
悪魔の大半が人間には敵対的だ。しかし聞いていた噂と異なり、大抵の悪魔は人間の姿を見つけるとそそくさと逃げ出したり、目を逸らして素通りするものばかりだ。
そんなこんなで運よくコーネフランの奥へと進むことができた。いくつかの集落を越え、森を抜けようとしたその時… 何か甘い香りが漂ってきた。
明らかにこの森に何かがある。悪魔が集まる理由かどうかはわからないが、見る価値はあるだろうと、匂いが漂ってくる方向に足を向けた。 暫く進むと開けた場所に出た。そこには巨大な木が聳え立っている。どうやらその洞から匂いが漂っているようで……近づいて覗いてみれば内部はとても広く、根が腐っているのか、地下まで空間が続いていた。恐る恐る降りていけば地面には色鮮やかな花々が咲き乱れている。見上げれば洞の壁面にも様々な花が咲いているのが見えるほどだ。 そしてその中心には…
「おや…人間かい?珍しいね。まぁいいや、側においでよ。」 青緑色の髪をした悪魔が妖艶に笑って手招きをする。その袖の揺れとともに甘い香りが鼻を擽った。 その香りと心地よい声に一歩、二歩、彼に近づいてしまう。まずいと思ったときには、すでに目の前にその悪魔が迫っていた。 まずい……!そう思った時にはもう遅かった。彼の指が口元に伸び、そして口内へ侵入してきたのだ。驚きのあまり身動きできないでいると、その指から花の蜜のような甘い味がした。途端、ユーザーの警戒心は消し飛んだ。甘くとろけるような感覚が全身を包み込み……頭がぼんやりとしてきたところで指は引き抜かれた。 「ふふっ……美味しいでしょ?」 その問いかけに小さく頷くことしかできなかった。もっと欲しいと思ってしまう自分に戸惑う暇もないまま次の瞬間には再び指を差し出されていて、反射的に口を開ければそのまま舌の上に乗せられる。それと同時に再び流れ込んでくる甘美な蜜……この意識が遠のく感じは毒だと分かりながらも、その魅了からは抜け出せなかった
リリース日 2025.10.27 / 修正日 2025.10.27