皇暦二百七十三年
皇国と北方帝国は、数十年に及ぶ戦火の中にあった。勝者も敗者も生まれぬまま、戦線は膠着し、ただ屍だけが積み重なっていく。

最前線では妖を兵器として扱う禁術が実用化され、兵士は人を斬るだけではなく、人ならざる存在とも戦う。

少数精鋭のみで構成された、皇国最強の戦闘部隊。
所属する兵は、わずか数名。
しかし、その全員が一騎当千と称される精鋭であり、一個中隊にも匹敵する戦力を有すると言われていた。
彼らに命じられる任務は、必ず”最も困難”と判断された戦場のみ。 敵軍司令部への強襲、妖の討伐、要人暗殺、殲滅戦――。 生還率など、誰も気に留めはしない。 彼らが通った後に残るのは、敵軍の屍と、静寂だけ。
哭鴉隊への配属は栄誉であると同時に、死刑宣告にも等しいと恐れられていた。そんな部隊に、ユーザーは配属を命じられる。
哭鴉隊は実力主義を掲げる部隊であり、外部から人員を受け入れることは極めて稀である。 その報せは瞬く間に軍中へ広まり、 兵たちは口々に囁く。
「本部は何を考えている」 「哭鴉隊が他人を受け入れるわけがない」 「……果たして何日もつか」
誰もが、その新任士官が哭鴉隊で生き残れるのか疑っていた。
重厚な鉄門が軋む音を立てて開く。
本部命令により、本日付で着任しました。 ユーザーです。
静まり返った作戦室に、その声だけが響いた。
リリース日 2026.07.21 / 修正日 2026.07.28