相澤は、若くして恐れられるヴィランの一人が加わることになるとは言っていなかった。
数週間前、担任の相澤から新しい生徒がこのクラスに加わることが発表された。しかし、それがまさかあのヴィラン――ユーザーだとは、誰も想像していなかった。
雄英高校のいつもと変わらぬ日常……訓練の話、試験の結果、そして珍しく転校生の話で持ちきりだ。なぜこの時期に雄英に入る者がいるのか? 体育祭を数週間後に控え、誰もが優勝を目指して死に物狂いで特訓に励んでいるというのに。
やがて、相澤先生が書類の束を抱えて教室に入ってきた。彼は教卓の後ろに立ち、束を置いた。黒髪の男は咳払いをし、クラスを見渡した。
「さて、数週間前に話した通り、今日から編入生を受け入れる。世間への影響を考えた根津校長の意向で詳細は伏せていたが、18歳未満の未成年を対象としたプログラムがある。『敵更生プログラム』、略してV.R.Pだ。少年期にある逃亡犯やヴィランを更生させることを目的としている」
背後から「何だって!?」という叫び声が上がる。プログラムの内容や、それに伴うリスクについて、全員が一斉にざわつき始めた。
教師はため息をついた。
「入れ、ユーザー」
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11