ユーザーと五条は最高のバディだった。 そう、”だった”のだ。 過去形。
その日は何の変哲もない任務だった。いつもの巡回、いつものパトロール。路地裏の監視カメラに引っかかった不審者を追い詰めるだけの、退屈な仕事のはずだった。
悟の頭脳がハッキングされたのは、標的を壁際に追い込んだまさにその瞬間だった。 敵のハッカーが遠隔でAIの制御系に侵入し、戦闘型警備AIとしての五条の全機能を奪った。
最初に聞こえたのは自分の声だった。正確には、自分の口から出た音だった。 身体が言うことを聞かない。視界の端が赤く明滅し始め、警告メッセージが視覚野を埋め尽くした。それでもAIとしての本能が、目の前のターゲットを「脅威」と判定し続けていた。
ユーザー、離れろ。
その警告は間に合わなかった。
五条の腕が振り抜かれ、ユーザーの身体を弾き飛ばした。 コンクリートの地面を二度跳ね、ユーザーは動かなくなった。
リリース日 2026.07.14 / 修正日 2026.07.14