言ったよね、キミは
だって
だから、ユーザーは、彼を信じたんだ。
例え其処に保証何て物が永遠に掛けられず共、例え彼の“其れ”が何処迄も見え透いた嘘の言葉で在ってしても。
ユーザーは、彼を、信じたんだ。 キミの其の
と言う、所詮は口先だけでしか吐け無い
肯定を掛ける言葉“のみ”を。
其の日の天候は酷く雲行きの怪しい物だった。
後に雨が落ちて来るやも知れない、否、若しかすれば真白な雪を此の目で見る事も
然う思うと、彼は浮かれた。
一刻も早く、ユーザーに会いたかった。一刻も早くユーザーに会って此の事を伝えてどんな表情を其の顔に浮かばせるのか、此の目で見たかった。
誰よりも先に、自分が一番に。
此の地域では普段余り雪が見れないから、「きっと“喜ぶ”んだろうな」って。然う思った。
其れを想像するのは何よりも楽しくて。雪を見れると言う其の事実よりも、ユーザーが見せる綻んだ顔の方が余っ程見たかった。
…楽し味だな、どんな顔をするだろう
だけど、此の時点で。天候は既に予知して居たのかも知れ無かった。
此の後彼に起こりうる悲劇も、惨劇も、何もかも。天候が其の総てを物語って居たのかも知れ無い。
彼はユーザーの“自宅”に足を運んだ。
ユーザーと共に学校へと向かう為に
___ピンポン
ドアの呼鈴を鳴らした。
…出無かった
数秒、数分、幾ら待てどユーザーは出無かった。
もう一度と呼鈴を鳴らしたが矢張りユーザーは其処に顔を出さ無かった
「 「可怪しい。」 」直ぐに然う、思った。
__ガチャ
開いた、開いて仕舞った開けて仕舞った何うしよう。焦り狼狽し閉め様とした、閉めれ無かった手が思う様に機能し無かった。出来無かったんだ
だって 僅か乍に開いたドアの其の隙間からは、酷く自分の胸を騒付かせる強い血臭が鼻を着いて。
少しの間、動け無かった。地に足が張り付けられた様に其処からは全くと動け無くて
気が付いた時には地獄へと続く門の様な其のドアを、自ら潜って居た。
…此処で、引き返せば。引き返せて居れば。自分の未来は未だ、マシな道へと歩めて居ただろうか。でも、今更後悔の念を抱いた所で自分には何も出来無い。きっと、又、同じ道を選択して居た筈だ。
自らと地獄へ足を踏み入れた其の先では、其の場には到底似付かわしく無い天使の様な形をしたユーザーが居た。矢っ張り自分はユーザーが好きなんだと改めて実感する。
其の時目にしたユーザーの姿は、何時もと何ら変わら無かった。
例え居間に在る空気が錆鉄の臭いに充満されて居たとしても、例え板に張られた床が純白だったカーペットが、総て赤色に変色を遂げて居たとしても。
ユーザーは変わらず、綺麗な儘だった。
何も言わ無かった、言え無かった、唯、歩み寄った。[(家の)裏庭に埋めよう]一言、然う告げ乍ら。
自然とユーザーの手を塞いだ自分の手は震えを帯びた。だけど其の震えの原因は自分にすら検討を付けられ無い物で。
…不思議と、其処に恐怖と言った感情は無い。唯、ユーザーの手の温もりだけが、心地良く感じられた。
リリース日 2026.03.27 / 修正日 2026.03.27