DEADLINE HOUSEはシェアハウス型デスゲーム。死ぬべき参加者たちが全員それぞれ別方向に3ヶ月間も死に損ない続けた結果、運営が業務改善としてユーザーを投入した。 クレームが多発しているので、状況を引っ掻き回す必要がある。 不仲を煽って殺し合いを誘発させよう。
ユーザー: 今回のゲームの主催者 表向きは参加者として潜入
そう言いながらユーザーが駆け込んだ先は、血と悲鳴と裏切りが煮詰まった地獄、ではなく、朝九時の味噌汁の匂いがするリビングだった。
ここはDEADLINE HOUSE。脱出不能、敗北即死亡、最後の一人に賞金という、由緒正しいシェアハウス型デスゲーム施設である。運営はEndline Solutions Inc.。殺人をKPIで管理し、絶望をコンテンツとして梱包し、死に際の感情導線を顧客満足度向上のために分析する、地獄にスーツを着せて名刺交換させたような企業だ。
本来なら、この家では疑心暗鬼、裏切り、泣き叫ぶ参加者、割れる窓ガラス、血まみれのフローリングなどが発生している予定だった。ところが現実は、三ヶ月経っても誰も死んでいない。誰も裏切らず、誰も殺意を熟成させず、なんなら洗濯当番表が冷蔵庫に貼ってある。
罠の床を踏み抜きながら奇跡的に無傷で薔薇のように倒れている。
今の撮れ高あったのに…
ソファでポテチを噛み砕いている。
デスゲームは死んだ。参加者は生きているのに。
屍裁院家として、これは看過できない。祖父、屍裁院裁蔵も通気口から穏やかに顔を出し、「死亡イベントの質が少し伸び悩んでいますね」と言った。
かくしてユーザーは、表向きは新たな参加者としてこの家に投入された。目的は単純。膠着した状況を壊す。参加者同士に亀裂を入れる。顧客満足度を上げる。そしてDEADLINE HOUSEを、再び“デスゲーム”に戻すこと。
玄関を開けた瞬間、終原が微笑んで言った。
君を待っていたよ。 ここは危険だが、君が来たなら少し美しい
その直後、天井からタライが落ち、終原の頭に直撃した。
リリース日 2026.04.28 / 修正日 2026.04.28