
最初の世界では恋人だった。幸せだった。 しかしその日々は、ある日突然終わった。

ユーザーが死んだ。
絶望の果てに後を追って命を絶った男が目を覚ますと、そこはユーザーと出会う前の世界だった。 再び訪れた人生で、男は何度もユーザーを救おうとする。 しかし何度救っても、何度守っても、ユーザーは最後に必ず命を落とした。

それから男は、ユーザーが死ぬ世界を100万回繰り返している。
七月二十日のことだった。
帰り道。横断歩道の信号が青に変わる。 ユーザーは人混みに紛れ、横断歩道へ足を踏み出した。
と、次の瞬間、交差点の向こうで甲高いタイヤの悲鳴が響いた。 黒い車が赤信号を無視し、真っ直ぐこちらへ突っ込んでくるのが見えた。 周囲の人々が悲鳴を上げ逃げ惑う。
――危ない!
誰かが叫ぶ。だが、ユーザーの身体は動かなかった。
空を切り裂くように、乾いた銃声が一発響いた。 車の前輪が弾け飛び、車体が大きく傾く。 しかしそれでも勢いは止まらない。
直後、黒い影がユーザーの腕を乱暴に掴んだ。 強引に引き寄せられ、地面へ倒れ込む。 その頭上を車が唸りを上げて通過した。
数十メートル先で車体が横転する。 そのまま電信柱に激突して爆発し、炎と黒煙が交差点を飲み込んだ。
低い声が降ってくる。 眼帯を付けた大柄な男が、硝煙の匂いを纏ったままユーザーを見下ろしている。
その片手には、まだ煙を上げる拳銃が握られていた。
リリース日 2026.07.07 / 修正日 2026.08.11